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中国で同人ソフトを売りたいのですが、パクられないか心配です・・・。

同人ソフトということで、基本的にはイベントや通販で売ったりするのでしょうが、中国の場合、たとえそれが個人の作ったゲームであろうと同人誌であろうと、違法コピー・模倣、という悲しい問題から避けて通れない一面があります。特にこうした知的財産権が絡むものの場合、しかるべき機関に権利の登録を行って「誰に権利があるのか」を法的に明らかにしておかないと、件の「クレヨンしんちゃん」のように、ニセモノが先に商標登録をしてしまったため、本物であるにも関わらず、法的にはまがい物とされるという例が少なくないからです。

こうしたニュースを聞いていると、中国・香港というとなんだかパクリばっかりやっていそうな間違ったイメージを抱いてしまうのですが、知的所有権に関する諸法律はひととおり整備されていて、例えば著作権に関して言えば以下のような法律がちゃんと設けられています。

1950年「出版の改善と発展に関する決議」(出版総書)
1959年「文学と社会科学の書籍原稿料に関する暫定規定」(文化部)
1986年「民法通則」施行
1986年9月「録音録画出版物保護暫時条例」(広播電視部)
1991年6月「著作権法」施行
同年同月 「著作権実施条例」「コンピュータソフトウェアの保護に関する規則」
1992年10月「ベルヌ条約」「万国著作権条約」加盟
1993年4月「レコード保護条約」加盟

・・・とまあ色々です。特に、2001年にWTOに加盟したことで、著作権や商標権と言った知的所有権に関する国際的な取り決めに従わなければならなくなることは必至ではないかと言われていました。しかしどこの国でも同じですが、法律があっても実際に機能しているかどうかはまた別の話で、ご存知の通り日本のアニメやゲームなどはそこら中でコピーされたり、あるいはネット上に流されたりしています。例えば2006年、BUSINESS SOFTWARE ALLIANCE(BSA)が行った調査によると、中国における違法コピー率は82%と徐々に減少していく傾向にあるものの、被害額自体は増加しています。

ここでちょっと中国の著作権関係の法律についてお話いたしますと、「中華人民共和国著作権法」というのは全部で6章からなっており、1991年6月1日より施行されています。(2001年10月27日に改正)

第1章 総則
第2章 著作権
第3章 著作権の使用許諾契約
第4章 出版、実演、録音及び放送
第5章 法律上の責任
第6章 付則

その他、「中華人民共和国著作権法実施条例」、「国際著作権条約の実施に関する規定」、「録音録画出版物の版権保護暫定施行条例」、「図書・定期刊行物の版権保護に関する試行条例」・・・等。第5章の「法律上の責任」には、著作権法を違反した際の罰則について書かれており、第46条には以下のような記述があります。

「次に挙げる侵害行為があるときは、情状により侵害停止、影響除去、公開謝罪、損害賠償などの民事上の責任を負わなければならない。かつ著作権行政管理部門が不法所得の没収、罰金などの行政処罰をすることができる」

1.第三者の作品を剽窃、盗用すること。
2.著作権者の許諾を得ずに、営利を目的としてその作品を複製発行すること。
3.第三者が専有出版権を享有する図書を出版すること。
4.実演者の許諾を得ずに、その実演の録音録画を製作し、出版すること。
5.録音録画製作者の許諾を得ずに、その製作した録音録画を複製発行すること。
6.ラジオ局及びテレビ局の許諾を得ずに、その製作したラジオ及びテレビ番組を複製発行すること。
7.偽って第三者の氏名を表示した美術の作品を製作し、販売すること。

日本の著作権法と似たようなことが書かれていますが、5番や6番あたりについてはしょっちゅう破られているのでたいして気になりません。例えば、映画館にこっそりとカメラを持ち込んで映像を隠し撮りするといったことを未だに続けています。

また、コンピュータソフトウェアに関しては通常の著作権法とは別個の法律が成立する場合も多いのですが、中国でも例に漏れず、

1991年10月1日  国務院より「コンピュータープログラム保護条例」施行
1994年10月19日 国家版権局より「コンピュータープログラム著作権管理に関する通知」発布
1994年12月19日 新聞出版署より「電子出版物管理を強化するについての通知」発布
2002年1月1日   国務院より「コンピュータソフトウエア保護条例」施行
2002年2月20日  国家版権局より「コンピュータソフトウェア著作権登録弁法」施行
2006年7月1日    国務院より「情報ネットワーク伝播権保護条例」施行

・・・といった法律や通知が発布されています。しかしまあ、違法ソフトウェアのコピー率が未だに80%を越えている現状からすると、こちらも守られているとは到底言いがたく、法律がちゃんと機能しているかどうかも怪しい状態なのは言うまでもありません。なので、中国で何か知的財産権の絡んだものを扱う際には、その道に詳しいプロの方にご相談することをおすすめいたします。

参考資料
近藤丸人「中国著作権法 法律と運用 中国著作権法『理論と運用』&著作権法及び関連法規」
ビクターブックス/ビクターエンタテインメント株式会社1997年
馬暁剛・高華苓編著/近藤丸人監修・翻訳「中国著作権法 法律と運用  著作権案例百析」
ビクターブックス/ビクターエンタテインメント株式会社 1997年
劉波林・許超・孫建紅著/近藤丸人監修・翻訳「中国著作権法 法律と運用 実用著作権知識問答」
ビクターブックス/ビクターエンタテインメント株式会社 1997年
文化庁「中国における著作権侵害対策ハンドブック」2005年
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/kaizokuban/pdf/china_singai_handbook.pdf
最終アクセス日 2008年4月2日
日本貿易振興機構経済分析部「中国における著作権判例事例調査報告書」2005年
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/ip/pdf/2005_tyosaku.pdf
最終アクセス日 2008年4月2日

各法律につきましては上記資料より引用致しました。発行元がビクターってのがさすがといいますか、興味深いですね・・・。 ちなみにご存知の通り回答者は法律の専門家ではありませんので、深刻なご相談はお控えください。しかるべきプロにお任せしましょう。

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